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SEA-GOTO 〜海のシゴト ガイドブック〜

橋本 学


プロジェクトを任せてもらえるその信頼が最高の営業成績


造船ドック

 向島ドック株式会社で総合技能職として船舶修理鉄工の仕事に従事する河本 雅弘さん。
  造船業で溶接を専門としていた父親がきっかけでこ就職し、多くの資格と技術を身に着け仕事の幅を広げている河本さん。父親と同じ溶接の技術を身につけ、いまでは専門職として現場で活躍しています。現在の仕事の魅力についてお伺いしました。
(取材協力:向島ドック株式会社)


造船会社の「造船営業」とは

 船は多くが鉄で作られていますので、関わる範囲も広く、鉄工の仕事は多岐にわたります。
新しく造船する時だけではなく、修理においても鉄工の仕事は多数あります。修理する部分だけ切り取り、新しい部分に取り替えることもできます。

  1. 損傷した船を修理する仕事
  2. 未経験で入社したが、会社が技術を身につけるまでの教育をしっかり行ってくれる
  3. 社内の風通しがよく、先輩方と何でも話し合える環境がある

06:30
起床
07:30
出社
07:50
始業、体操
08:00
ミーティング、業務開始
10:00~10:15
12:00~12:55
15:00~15:15
休憩
17:00
終業
17:30
帰宅
22:30
就寝

お客様と技術者をつなぐ「造船営業」の仕事について


撓鉄(ぎょうてつ)の作業

現在の業務内容について教えてください。

 私は鉄工を担当しています。例えば外板に凹みがある場合はガスバーナーでその部分を切り取って新しいものに取り替えます。腐食すると鉄板が薄くなるのでその部分も交換します。
 作業としては鉄をガスで切断する「ガス切断」、新しい部品に取り替える時に鉄を溶かしてくっつける「溶接」、そして鉄を曲げる作業を行う「撓鉄(ぎょうてつ)」があります。
 海難などで船が損傷した場合など、様々な理由で当社のドックに入った船に対し、決められた期日までにしっかり修理しなければならないので、経験と知識をもとに挑戦する日々です。

仕事上で常に心がけていることはありますか?

 お客様に喜んで頂くために、安全第一で、早く、丁寧な仕事をすることを心かげています。丁寧に仕事をすることは結果として安全にもつながっていくと思っています。
 この仕事は作業毎にチームが分かれています。自分が怪我をするとチーム全体に影響を及ぼしてしまいます。最終的に納期が遅れてお客様にご迷惑をおかけすることは避けなければなりません。そのため丁寧にというのはいつも心がけています。


造船業を志したきっかけ

この仕事に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?

 父親が同じ造船業で、就職活動の時に話を聞いて興味を持ったのがきっかけです。父は溶接を専門に仕事をしていましたので、この時に新しい話を改めていろいろと聞いてみたり、実際に工場見学にも行ってみました。

高校の時から鉄工の勉強はしていたのでしょうか?

 全くやっていませんでした。就職してから身につけた技術です。他にもそういう人は多いんですよ。
 会社では仕事を身につけるための教育も一から行ってくれたので本当にありがたいです。

仕事のやりがいはどんなところにありますか?



 同僚や先輩たちと協力し合って、仕事をやり終えて、お客様に喜んで頂けた時です。
 修理の各段階で船のオーナーや監督にチェックをしてもらうのですが、その時に仕事を褒めてもらったりするのはすごく嬉しいことです。外国船だと英語で褒められます。細かいニュアンスはわかりませんが、褒められてることは十分に伝わります。

仕事で大変だったことはどんなことでしょうか?



 船がドックから出る日が決まっているので、時間厳守で仕事をしていくので大変な時期もあります。限られた時間の中で、確実な仕事をするためには、自分だけでは厳しい事もありますが、先輩職人の方にアドバイスをもらいながら、達成することができました。
 社内の雰囲気がかなりいいおかげではないかと感じています。何でも言える風通しの良さが当社にはあり、困っている時には先輩方が声をかけてくれます。

仕事上で将来の夢はありますか?

 いつも助けて頂いている先輩職人の方のように、どんな状況にも対応できる技術を身に付けたいです。
 教えてもらうだけではなかなかわからないことも多く、経験を積まないとできないことが多いからです。

休暇に関してはどうでしょうか?

 仕事の状況により休みの日数も変わってきますが、休日は釣りをしたり、子供たちと遊んだりしてゆっくりと過ごしています。
 いまは週休1、2日です。慣れましたが、昔は、もうちょっとお休みが多くてもいいなと思っていたこともありました(笑)。


この職業の魅力はどんなところにあるでしょうか?

 外国の方や他県から来る方が多いので、いろんな話を聞くことができることです。毎回修理する船は違うため、オーナーも違いますし、船も国籍が異なるからです。同じものを扱うわけではないので変化があって面白いです。そして経験を積まないと変化に対応できないというのも実感しますので、やればやるほど面白いと感じます。

この職業を目指す方に必要なものは何だと思いますか?

 私は未経験の状態で入社しました。資格も知識も全くない状態でしたが会社でしっかり教育してもらいました。そういう意味では、仕事をしながら技術を身に付けたい人や、自分の手に職をつけたいと考える人には良いと思います。

河本さんの仕事を一言で言うとどんなものでしょうか?

 わたしにとっては、「挑戦」であると思っています。
 一つ覚えたら全部できるというわけではありません。船によって仕事は異なってきますので、全く同じ作業というのはありません。経験したものをベースに変化に対応していく必要があるので、日々挑戦していく仕事であると思っています。

2019年1月に広島で取材

大変なことも多い仕事ですが、とてもやりがいのある仕事です。
日々楽しく仕事に取り組めているのは職場の風通しの良さがあると思います。興味のある方はぜひ職場の見学をしてみてください。


PROFILE:
30歳 7年目 広島県出身
総合技能職(船舶修理鉄工) 河本 雅弘
向島ドック株式会社

取得資格:
ガス溶接技能講習 
アーク溶接等の業務に係る特別教育 
高所作業者運転技能講習   
床上操作式クレーン
撓鉄中級専門技能研修
足場の組立等従事者特別教育 
プレス機械作業主任者

2007年
広島県立松永高等学校卒業
2007年
向島ドック株式会社入社

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