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「海の日」に寄せて ― 海洋写真家 中村 庸夫 ―



我が国は泰平の海(太平洋)に浮かぶ島国。しかし、近隣国は決して友好的な国ばかりではなく、多くの問題を抱えている。
終戦のどさくさ紛れに領土を奪った国、国際的なルールである領海やEEZの侵犯を繰り返し、わが国の豊富な海洋資源や固有の領土を奪おうとする国、友好国でありながら勝手に引いた国境線によって我が国固有の領土を実効支配する国、夜陰に紛れて国民を拉致する国。
我が国と世界とを結ぶ泰平であるはずの海は、荒々しさを増しつつあり、問題が山積みされている。
我が国を取り巻く海が平和である事を願いつつ、海に親しみ、海からの恩恵に感謝し、海に関心を持ち、海に触れて海の重要性を認識していきたい。
無限の可能性を秘めた大切な存在である海に職業を見出す若人がもっと増加してほしい。
海の向こうの国とを結びつける平和と安全な海こそが、今何よりも求められている。





<プロフィール>

中村 庸夫(なかむら つねお)

1949年東京生まれ。
早稲田大学卒業。同大学院理工学研究科・建設工学修了。海岸工学の研究を行う。
大学に入り本格的に写真を始め、在学中から写真を雑誌に発表し、趣味だった生物、写真、海そして旅行を結びつけ、大学院修了後、世界に先駆けて海洋写真家を名乗り仕事を始め、海洋写真事務所・株式会社ボルボックスを設立。
30年間以上の間、時間の多くを海外取材に費やし、北極から南極まで、地球七つの海を旅しながら写真を撮り続けてきた。帆船や豪華客船の写真では世界の第一人者。クジラ、イルカ、ペンギンなど海洋生物の写真集も多い。
撮影した作品は我が国での写真集、著書100タイトル以上、アメリカ、フランス、ドイツ、イタリアなどでも写真集が出版されている。
2006年、国土交通大臣から「交通文化賞」を受賞。本賞は、公的活動、学術研究、芸術活動、国際的活動等を通じて、我が国交通文化の向上に著しく貢献した人におくられるもので、帆船や客船の写真を通じて我が国の海洋文化を諸外国に紹介するとともに、国民の祝日「海の日」の制定に尽力するなど海事思想の普及に努めた事が評価されたもの。
また2010年には、海洋に関する芸術活動が評価され、内閣総理大臣賞「海洋立国推進功労者表彰」を受賞。海洋写真家の第一人者として、帆船や客船の写真のみならず、海洋生物、海の食材等の写真を通じ、日本の海洋文化を諸外国に紹介するとともに、世界各国の船を日本において紹介し、双方の海事思想の普及に努めた事が評価されたもの。

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